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第1回 外村編

これから下半期に向けて、夏休みやお盆休みなどで、まとまった時間を持てる人もいるかもしれません。そんなときに、目を通しておくといいオススメ書籍を、ピクセルグリッドのエンジニアに挙げてもらいました。第1回目は外村です。

2012年08月02日発行

目次

マークアップエンジニアに勧める3冊

HTMLやCSSの実装を手がけるマークアップエンジニアにオススメな本を、3冊挙げてください。

「入門 HTML5」

Mark Pilgrim 著、矢倉 眞隆 監訳、水原 文 訳(オライリージャパン)(原書:HTML5: Up and Running)

HTML5の概要を知りたいという方にはイチ押しの書籍です。

著者はDIVE INTO HTML5というサイトでHTML5関係の情報を多く発信しているMark Pilgrim氏です。同サイトの情報を元に書かれている本で、HTML5とは何か、どのような経緯で誕生したかというHTML5の前提知識に始まり、CanvasやlocalStorage、Application CacheといったHTML5のAPIについても、詳しく解説されています。

また、videoのコーデックの解説では、それぞれのコーデックの特徴や、なぜブラウザによってサポートするコーデックがバラバラになってしまったかという経緯が詳しく書かれており、とても読み応えのある内容です。

このテの本にしては256ページと、ボリュームもそこまで多くないので、さくっと読めるところもオススメです。

「ハイパフォーマンスWebサイト」

Steve Souders 著、武舎 広幸、福地 太郎、武舎 るみ 訳(オライリージャパン)(原書:High Performance Web Sites)

2008年4月発行で、けっこう前の本ですが、今でも役に立つことは多い書籍です。フロントエンドからWebサイトのパフォーマンスを改善するには、どのような方法があるかということが書かれています。

HTTPリクエストの数が多くなるとパフォーマンスが低下するので、できるだけHTTPリクエストの数を減らすとか、CSSやJavaScriptを読み込む位置によってどのようにパフォーマンスに影響が出るかなどは、フロントエンドを実装する人であれば知っておきたい内容です。

この本に書いてあることを、すべてを鵜呑みにしてパフォーマンスを最適化しないといけないということではありません。「何が速くて何が遅いのか」というのを知っておくことが重要なのです。

「Sass入門」

上村光星、富田梓、對馬慶子、山田敬美 著(技術評論社)

Sassは最近よく使われているCSSのメタ言語です。Sassで書くとCSSで変数を使えるようになったり、セレクタを入れ子にして書くことができるようになるなど、CSSに足りない機能を補うことができるものです。

この書籍はおそらく日本語の書籍では初めてまるごと一冊Sassを扱っている書籍です。Sassを一から使うための基本的な知識はもちろん、実際の運用で培ったノウハウなどの内容もあります。Sassを使っている人、使ってみようと思っている人にはオススメの一冊です。

JavaScriptプログラマに勧める3冊

フロントエンドのJavaScriptでプログラムをする人にオススメな本を、3冊挙げてください。

「JavaScript 第5版」

David Flanagan 著、村上 列 訳(オライリージャパン)

JavaScriptを日常的に書いている人であれば、おそらく一度は目を通したことがあるのではないかというくらい鉄板な一冊ですが、あえて挙げました。

JavaScriptを始めたばかりの方には少し難しい内容もあると思いますが、JavaScriptを学ぶ上では避けては通れない一冊だと思います。

この本は2007年8月発行というかなり古い本なので、最近のJavaScriptの機能の説明などがなく、内容としても少し古いものになっています。

実は「JavaScript 第5版」はもう絶版となっており、2012年8月10日に同じ著者と訳者による「JavaScript 第6版」が発売される予定となっていますので、今この書籍を買って読んでみようと思っている方は、ぜひ第6版の発売を待ってから読むことをオススメします。

「ステートフルJavaScript」

Alex MacCaw 著、牧野 聡 訳(オライリージャパン)(原書:JavaScript Web Applications)

Spine.jsというMVCフレームワークの作者が書いている本で、JavaScriptでのMVC的な話が詳しく書かれています。

実はSpine.jsはこの本の執筆中に、作者が思っている理想のフレームワークがないということに気づいて作ったライブラリです。ですのでSpine.jsの思想に触れるという意味でもおもしろい一冊です。

また、Spine.jsのアイデアの元になっているBackbone.jsについての解説もあります。JavaScriptでWebアプリケーション書いているような人には一読をオススメします。

「増補改訂版Java言語で学ぶデザインパターン入門」

結城 浩 著(ソフトバンククリエイティブ)

あえて斜め上の一冊を挙げてみます。デザインパターンというのは、ソフトウェアを設計する上でよく使われる手法を整理して、わかりやすい名前をつけたノウハウ集のようなものです。おそらくデザインパターンを知らずにプログラムを書いている人も、知らず知らずのうちに使っているパターンがいくつかあるはずです。

JavaScriptを書いていて、JavaScript以外の言語を学んだことがない人や、デザインパターンというのが何なのか知らないという人はぜひ一度読んでみるといいと思います。この書籍での説明はJavaで書かれていますが、デザインパターンというものを知ることでJavaScriptのプログラミングの幅が広がると思います。

印象深い1冊

かなり読み込んだ、この本がエンジニアとしての転機になった、など印象が深い本を1冊だけ挙げてください。

「リーダブルコード」

Dustin Boswell、Trevor Foucher 著、角 征典 訳(オライリージャパン)(原書:The Art of Readable Code)

比較的最近の本ですが、プログラム初心者のころに読んでおきたかった一冊だと思いました。これからもプログラムを書く上で一つの指針になる本だと思っています。

変数の名前の付け方やいいコメントの書き方などは、Webで調べても、なかなか使える情報が出てくる内容ではありません。僕のような独学でプログラムを学んできた人にとっては、このような抜け落ちがちな内容が書いてあります。凄腕のプログラマでさえ良書と言っている一冊なので間違いないはずです。

外村 和仁
外村 和仁
フロントエンド・エンジニア

HTMLコーダー、JavaScriptプログラマ、PHP、Perlのプログラマといった職務を経験後、2010年に株式会社ピクセルグリッドに入社。大規模サイトの運用、開発の経験を活かしてバックエンドからフロントエンドまで幅広く担当。2015年、退社。好きな言語はJavaScriptとRuby。 著書に『ノンプログラマのためのJavaScriptはじめの一歩』(単著:技術評論社、2012年11月7日)があり、共著も多数。このほか、WEB+DB PRESS、Software Designなどにも寄稿。